昨年2015年の夏、8月に、1945年(終戦の年)以来、69年ぶりに国内のデング熱感染者が確認され、「デング熱」という言葉が世間を震撼させたことは皆さん記憶にあたらしいところだと思います。
そして、忌避剤(きひざい)と呼ばれる虫よけスプレーや虫よけグッズ、あるいは殺虫剤が飛ぶように売れました。
しかし、この業界、実は多くの人が知らない法律の壁が存在します。
今日は、この業界人以外は多くの方が知らない、「虫よけ市場」のやっかいな部分をご紹介します!!
2015年、日本国内でデング熱の流行
デング熱(英: dengue fever, breakbone fever)とは、デングウイルスが原因の感染症であり、熱帯病の一つです。
2015年現在、実用化されているワクチンはまだありません。
このデング熱、人から人への感染はなく、主な媒介生物は、
ネッタイシマカ(Aedes aegypti)やヒトスジシマカ(Aedes albopictus)などの蚊です。
昨年は東京の代々木公園で蚊に刺されて感染したとされています。
9月の第一週には感染者は60名を超え、10月末までに収束。感染者の合計は160名を超えました。
2013年、2014年に中国でデング熱が大流行
中国広東省では、2013年に計4,633人、2014年には一桁多い、40,339人が患者として記録されています。
国内対策だけでは足りない殺虫剤
今やグローバル化が進み、日本国内の蚊だけを対象に対策をしていても、追いつかなくなりました。
人やモノが頻繁に海外と行き交う中で、日本で発見される動物もかわり、生態系もかわることがあるからです。
下記の蚊はもともと日本にはいませんでしたが、近年は日本でも確認されています。殺虫剤耐性がある蚊です。
フマキラーや金鳥といったメーカーです。
もともと、害虫対策の感がある両社はどちらかといえば、先進国よりも新興国のほうが需要があるのでしょう。
しかし、日本のものをそのまま海外に持っていっても使えないことがあるそうです。
たとえば、デング熱を媒介しうる「蚊」は、日本のものよりも強い蚊がいるそうです。
先ほどのネッタイイエカはおよそ20倍ほど強い殺虫剤耐性を持つと。
そこで、より効き目のある殺虫剤の開発が行われてきました。
日本国内でも海外にしかいなかったはずの種類の動物も見つかっており、効き目を上げる必要があります。
メーカーが自信を持つ商品なのに、なぜ効果に「蚊」と書けないか?
なんと殺虫剤は2種類あって、薬事法上、「効果効能がある」といえるのは、医薬品・医薬部外品だけです。
そして、その効果効能をうたうためには、「厚労省の認可」を取らないとならないのですね。
しかし、その認可をとるにはお金も、時間もかかります。
だから、どうしているか。「雑品」としての販売をしています。
なので、「蚊に効く」と書けず、フマキラー自信のフマキラープレミアムの対象には「ユスリカ、ムカデ、ケムシ、クモ、カメムシ…」
しかし、「蚊」とは書けない。あくまで「雑品」。
番組では実験で、はるかに「医薬部外品」のものよりも強い殺菌力で蚊を
殺虫する様子が映し出されていました。
これはジレンマですよね。
急いで対策しなきゃいけないのに、国民を守るべき国の制度がじゃまになる。
身に付ける殺虫剤も
小さなお子さんをベビーカーに乗せたりしているときに効果のある身につける防虫服も飛ぶように売れているそう。
これも、医薬部外品として売りたいらしいですが、薬事法に規定される医薬部外品には当たらないのだそう。
アメリカのEPA(米国環境保護庁)では効果や安全性が認められているものらしいのですが…
まぁ、これも制度は制度。
その辺りを良く理解した上で、我々は賢く選択をしていきましょう。
単に表示に「蚊」って書いてないからだめだ、じゃなくて、書くに書けない事情がある、ってことですね。
今日はデング熱流行前に、今年の防虫対策、殺虫剤についてうんちくを溜めました!
参考:紹介されていた商品
フマキラー プレミアム
インセクト・シールド【Insect Shield】
また明日お会いしましょう!♪
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