こんにちは。今日は新たな決済サービスが開始したというニュースがありました。
PAY.JP
というサイトです。
その件について、思うところダラダラと書いています。
ネットでの販売を簡単にした「BASE」のサービス
ネットショップを簡単に作れるサイトがありあす。
コンセプトは、
「お母さん(ITリテラシーが低い人の象徴)でも使えるサービス」。
名前は、BASE。
月額料金がなく、初期費用もなく、商品が売れるごとに課金されることもない、
簡単にショップが作れるサイト。
当時は、だいぶ話題になりました。
私はものを売るということについてあまり興味がなかったので、情報を得ていたにすぎませんが、今でも口コミで広がっているようで、現在では17万店舗が開設され、月間1万件のショップが増えているようです。
サービスが開始したのは2年半ほど前。
アンドロイドやiPhoneアプリでもBASEアプリを使うことができます。
このサービスを作ったのは、当時学生ベンチャーだった鶴岡裕太氏。
BASEが「決済サービス」PAY.JPを始めるよ
その、BASEが今度は決済サービスを始めるとのこと。
このことは、今年2月にすでに発表になっていましたが、ついにそれが開始しました。
BASEと同じように初期費用と月額費用は無料で、決済手数料はVISAとマスターは3%(!!!)
AMEX、JCB、DinersClub、Discover Cardは3.6%ということ。
決済サービスといえば、これまでは普通にクレジット会社と個人事業主なり中小企業が契約しようとすると大変な挙句、足元を見られて大変な金額の決済手数料を取られていました。5%とか、飲食だと7%とか。
しかし、最近はこの決済サービスにベンチャーが参入してきて、始めたばかりの小さなお店でもクレジットカード支払いができるようなお店が増えています。
フリマのようなところでもクレジットカードが使えるとびっくりですよね。
一定割合の人間は「クレジットカードが使えるところじゃなきゃ買いたくない」という風になってきているので、3%程度の手数料が取られたとしても、その機会損失よりはマシ、という考え方もあります。
で、決済手数料が安い決済サービスが増えてきました。
最近、私が実際お店で見たりすることも。
「クレジットカードは手数料が高くてバカバカしいから辞めたんだ」と言っていたお店が、またクレジットカードを使えるようになっているからどうしたのかと思ったら「安いサービスが出てきたから」ということでした。
すでにある、新興決済サービス
Coiny(コイニー、3.24%)
http://coiney.com/
Square(3.25%)
http://square-prom.jp/
楽天スマートペイ(3.24%)
http://smartpay.rakuten.co.jp/
SPIKE
https://spike.cc/
こんなあたりですかね。最近良く聞くのは。
皆3%に消費税分ぐらい乗っている決済手数料ってことになります。
つまり、1万円の買い物を消費者がして、その決済をクレジットで承ると、後でその決済業者から手数料324円が引かれて、9,676円が入金されてくるということですよね。
クレジットカードについて消費者とお店のメリット・デメリット
今更クレジットカードのメリット・デメリットを書いてみると、
消費者側
■メリット
・お金がなくても購入できる
・クレジットカード会社から約1%程度のポイントが付く
あたりがメリットで、デメリットはなし。
お店側
■メリット
・クレジットカードでしか買い物をしない人でも買い物をしてくれる
■デメリット
・決済手数料が余計にかかる(現金購入ならかからないのに)
・入金が遅れる(通常は、月末で締めて、翌月末に入金というように、遅くなる)
ということになりましょうか。
これから、eコマースが増えてくると2つだけ確実なことがあって、
1.物流どうするの?
2.決済どうするの?
という話がでてきます。
webサービスのようなものは1は不要ですけど、どうしたって決済サービスは全てかかってきます。
当然、リアルな市場ではないので、現在の決済はクレジットカードというのが最も世界的に標準だし、しばらくはそのままなので、クレジット決済を簡単に行える決済サービス、これが今後伸びていくと思います。
「手数料」という名のもとに、売り上げに応じてチャリンチャリンとお金が落ちていくサービスはやっぱり魅力的でもあります。
決済の手段としては、私個人としては、マウント・ゴックスの問題で悪役のようになってしまいましたが、やっぱりビットコインのような仮想通貨が世界の標準になる日がくると思っていますが。まだ少し時間がかかるでしょうけど。
なぜ、ココに来て決済サービスが増えるのか?
決済サービスが増えている理由は、もちろんEC市場が伸びているということが背景にあるのは前提として、決済端末がiPhoneやiPadで代われるようになったというのも垣根を広げた大きな原因だと思っています。
iPhoneとかって超小型のコンピュータですからね。
これまでは専用端末を使って、ISDN回線を引いて、クレジットカードの決済を行う、ということをやっていました。
しかし、それがiPhoneを使うことで、アプリを提供すればそのiPhoneが支払い専用端末になります。あるいはiPadが端末になります。
あとは仕組みの部分なので、デジタル上で仕組みを作ると、あまり運用コストがかからない、だから安く提供ができる。
ネット時代は「フリーミアム」ですよね。
簡単にデジタルはコピーができるので、1人の運営にかかる費用なんてごくわずか。
もちろん、100円とか200円とか取ることはできるけど、無料にすることで爆発的に顧客が増える。
0円の魅力というのは、ものすごいもので、これは人間は本能的に損をすることに恐怖心があるからで、それが0円となると、全く解消されるために、行動に結びつきやすいのだとか。
その辺の話は以前も紹介した、ダン・アリエリーの著作に詳しいです。
予想どおりに不合理: 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
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ずる――噓とごまかしの行動経済学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
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だからこそ、web時代ではGmailなど、素晴らしいwebサービスの多くが無料で提供されるようになり、それに人が集まり、人が集まるとは広告等なんでも次のビジネスが提供できるようになるということなのでしょうね。
どこから学生ベンチャーは金を引っ張ってくるのか
やっぱり最初、ある程度は素晴らしいコンセプトを考えだし、そういうサービスを不完全でもキックスタートさせてしまう、というのが多くのベンチャーの始まりだと思う。
そして、そのコンセプトをうまくSNS等でアピールし、取材をさせ、VC等から資金を引っ張りだすというのが多い気がする。
結局はコンセプトということか。
社長自身がある程度そのサービスを形作るところまではやっている気がしますけど。
大学生だと、高い能力を持った人間が集まり、お金を支払わなくても皆時間を注ぎ込んでくれる、というのもいいところだったりするんだろうな。
PAY.JPの勝算は?
それにしても、今から決済サービスに入っていくPAY.JPの勝算はどの辺なのだろうか。
いずれにせよ、決済サービスは熾烈な手数料値下げ競争になってしまうし、そういう消耗戦になれば、体力があるところ、運営にコストがかからないところが勝つと相場は決まっている。
この業界に殴りこみを掛けるためには、最終的には顧客にどうサービスしていくか、にかかっているのだと思う。
社長の鶴岡氏はこう発言している。
「大手事業者のクライアントをひっくり返していくのではなく、例えば5年後にZOZOTOWNのように成長しているような新興ECサイトへの導入をいかにできるか」
「料率だけならば、叩き合おうと思えば叩きあえる。どうユーザーをサポートしていくかが重要」
価格競争ではホントに消耗するから、やっぱり顧客にどこまで寄り添えるか、ということになるんでしょうね。
今日はだらだらと紹介でした。
参考:
BASEがオンライン決済サービス「PAY.JP」を開始、EC事業者をメインターゲットに
http://jp.techcrunch.com/2015/09/07/base-launch-pay-jp/
流通総額数十億円後半のBASE、決済事業「PAY.JP」を発表ーー鶴岡氏が語る今後の世界観とは
http://thebridge.jp/2015/02/base-revealed-payment-business-payjp
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