生ライブをコンテンツ化して売る「ライブビューイング」というビジネスについて考えてみた

jsoul

画像引用:http://liveviewing.jp/

こんにちは、京野です。

皆さんはライブビューイングって知ってますか?

今日は成功しつつある、ライブビューイングというビジネスについて考えてみました。
レッツゴー・ウンチキスト!

ライブビューイングって知ってる?

もちろん、ライブビューイング自体は私も知っていました。
始まり自体は10年以上前ですよね。

日本代表のサッカーを、オーロラビジョンでみんなで見よう、
というようなことで海外の試合を国立競技場(だったかな?)
でやった、というのが
知られるきっかけになったことだと記憶しています。

そのライブビューイングを手掛けた人のお話も聞いた記憶があります。
たしか、広告会社の方だったような。

技術的背景の変化

なぜ、そもそもライブビューイングが可能になったのか。
それは間違いなく、デジタル技術の進歩にあります。

動画の配信というのは情報量が多いので、太い回線を持っていないと以前は無理でした。
また、撮影のための機材も必要でした。

放送機材があって、通信のためのインフラがあって、ということですよね。

それが、撮影機材も小さくなり、安くなり、通信技術も発達して、多くの情報を送ることができるようになった。

それが、ライブビューイングの技術的背景ですよね。

似ているものとして、(サービスの形態は違いますけど)、映画の配信サービス、
Huruとかドコモビデオとか、そういうサービスも類似の技術だと思います。

アマゾンも始めましたよね。

映画館の苦戦

同時に考えるべきは、映画館についてです。

映画館は苦戦が続いています。
いわゆる「シネコン」とよばれる複合型大型施設は、1980-90年代ごろでしょうか、
非常に流行りました。

デートはシネコンで時間をつぶす、というようなものが一つの定番だったようにも思います。
映画の興行収入も上がっていて、どこの映画館も(特に週末は)混雑していました。

ところが、今、映画館は閑散としています。
稼働率を調べてみるとおよそ2-3割という世界。

つまり、施設を作っても7割が遊んでしまっている、使われていない状態だということです。

映画で人を呼べなくなったのです。
それは、公開から3か月後にDVD化され、自宅でゆっくり見れるのであれば、わざわざ1,800円を支払って映画を見に行く必要はない、ということなのでしょう。

なので、映画館は入場料を実質下げています。レディースデー、シルバーデー…。
一人当たりの平均入場単価は1,000-1,200円なのだそう。

一人当たりの売り上げが下がる、かつ稼働率も下がる。悪循環です。
映画の配給元だけに頼っていたら、自分たちがつぶれてしまう。

そこで、発想の転換です。

「映画を上映するところ」ではなくて「映像を上映するところ」と視点を変えてみると、別の人を呼ぶことが考えられるのだと思います。

映画館は装置産業なので、売れなくなったからすぐに縮小するというわけにもいきません。
「コンテンツ」を変えることで存続するしかないわけです。
装置産業のコスト構造は、初期投資が大きく、あとはコンテンツの上映権が大きなコスト。
そして、意外にも「コンセ」と呼ばれる物販(飲食物・ノベルティ)で利益を出しています。
正直、入場収入では賄えないというのが現状です。

映画館の価値を上げうる「コンテンツ配信」

そこで、このライブビューイングという集められるコンテンツ配信は映画館にとって、ものすごく大きな収入をもたらしうるものだと思います。

また、アーティストにとっても大きな利益です。

アーティストは、今は生でないと稼げません。

デジタルコンテンツはいくらでもコピーされ、動画サイトにアップされます。
日本国内のサーバーならば、それも削除要請できますが、日本の法律に縛られない海外のサービスだとそもそも削除要請もできません。
(もちろん、YouTubeはできますよ)

なので、アーティストは「生」で稼ぐ、というのが王道になってきています。

AKBのビジネスの黎明期はまさにこの「生ライブ」で稼ぎ、中間を介さない直接の「CD売上」や応援グッズで儲けられたわけです。

では生で稼ごうとすると、どういう問題が起きるか。
それは、「ハコ」の大きさまでしか人を呼べないことです。

東京ドームであれば、4~5万人同時ですけど、そもそも施設を借りるのも高ければ、スタッフさんの数も多数です。

では、ここで、ライブビューイングをすればどうか?

もちろん、配信のための機材は余計にかかりますが、日本中の映画館で、それを配信させ、すべてから集金できます。

1つのコンテンツを同時視聴で儲ける。

東進ハイスクールモデルのような。

いや、代ゼミでも私がいた90年代前半でも衛星放送を使って日本中の代ゼミ校に配信していました。講師の年収が1億とか行っていたころなので、いかに金を集金するかを考えたら当時は衛星放送だったのでしょうね。

言ってみれば、この代ゼミ・東進モデルであるわけです。

生で見ているわけじゃないのだけど、生放送を見ているような感じなのでしょう。
周りも暗く、雰囲気もあり、「没入感」「一体感」を感じられるのでしょう。

顧客にとってのメリットは、ライブよりは安く行けること。

たとえば、今売り出し中の「三代目」

三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE
のライブビューイングは3,600円だそうです。

ライブビューイングで満足するのか?

ところで、ライブビューイングで満足するのか?
最大の問題はそこですよね。

見たことがある数人に話を聞くと

「もちろん、生の方がいいけど」

と断ったうえで、ある程度安く見れるならば、行く価値がある、
というのが大方の意見のようです。

ライブは8,000円、ライブビューイングなら3,500円とかだと、
まあ、ライブビューイングでもいいか、と思えるのも納得です。

人間の脳はリアルとバーチャルを区別できない

そもそも、脳機能学者の苫米地英人氏によれば、人間の脳は本物か、バーチャルか、などと区別はできないそうです。

臨場感が高まると、本物だと脳は感じてしまうのだと。

ライブビューイングもそれほど、盛り上がる空間が作れているのでしょうね。

私もいつか、見に行ってみたいと思います。
すごいビジネスですね♪

いろいろ図式化して説明したかったのですけど、時間もないのでまた。

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