甲子園で2012年に起きた「ドカベンのルールブックの盲点」
おはようございます。
いよいよ、夏の甲子園(全国高校野球選手権)が間近ですね。
東京の代表が明日決まります。
西東京の代表が明日26日。
東東京の代表は27日決まります。
西東京・早稲田実業の清宮くんが話題をさらっていますね。
16歳とは思えない巨漢でパワーが魅力です。
彼が打つのかどうか、楽しみです。
というわけで、今日は甲子園ネタ。
選手も知らないことがある、ルールブックの盲点について紹介したいと思います。
レッツゴー・ウンチキスト!
ドカベンの「ルールブックの盲点」
アニメ「ドカベン」で書かれていた、こんなルールがあります。
これが、実際に起こりました。
ルールブックに問題があるわけではない
ちなみに、「ルールブックの盲点」と言われていますけど、言ってみれば
「皆が意外に知らないルール」程度の意味であり、ルールブックに瑕疵があるという意味ではありません。
念のため。
実際に2012年に起きたプレー
2012年8月13日。第94回、夏の甲子園、第2回戦
済々黌(熊本)高校と鳴門高校(徳島)との戦いでそれは起こりました。
7回裏、1アウト1、3塁の時に打者はショートの頭を越しそうな打球。
二人のランナーは次の塁に向かっている。
ところが、ショートが超ファインプレー。
大ジャンプでアウト。(これで2アウト)
その後、飛び出した1塁ランナーをアウトにして3アウト。
(その前にサードランナーがホームインしている)
普通にありがちです。
そして、サードランナーの得点は認められなそうなものですけど、実はサードランナーの得点は認められます。
なぜ、そんな得点が認められるのか?
普通ならば、三塁ランナーの得点は認められなそうです。
普通というのは、こういうケースです。
よくありがちの「点が認められない」ケース
よく、1アウト1、3塁とかで、ショートゴロ。
そして、いわゆる6-4-3のダブルプレー。
ショートからセカンドに転送で2アウト、そしてファースト転送で3アウト。
これは、先に三塁ランナーがホームベースに入っても得点は認められません。
しかし、フライの場合はそうではない、ということです。
なぜ、フライの場合は同じではないのか
そもそも、なぜ、フライの場合は同じではないのか。
それは、フライの場合には元のベースに戻る義務(リタッチ義務)が発生していることによります。走者は自分が元いた塁に戻らない場合、その塁にボールを持った選手が触れた時点でアウトになります。
なので、アウトを避けるために、通常は帰塁します。どんなに進塁したとしてもアウトを取られればそのプレーは無効になるので、通常は戻るわけですね。
もちろん、3アウトになれば、3アウト以降のプレーは無効です。
しかし、済々黌のランナーは戻らなかった
この時、ホームに生還した済々黌の三塁ランナーは後に、「ドカベン」のエピソードを知っており、狙って発生させたと語っています。
実際、済々黌は同じ試合で、先に一度これに挑戦していることが確認されています。
では、守備側はどうするべきだったのか?
2つ方法がありました。
1つ目の方法:三塁ランナーで3アウト目をとる
3つ目のアウトを取るのに、三塁ランナーで取ればよかったです。
ショートフライで打者が2アウト目、3アウト目をサードに投げて三塁ランナーがアウトになります。どんなに進んでもそのランナーがアウトにされると、無効になるため、点は入りません。
ただし、これは三塁ランナーが戻る意思を示している場合。
三塁ランナーが戻る意思を見せていない時には、無条件にサードに戻せばアウトになるわけではありません。
というのは、タッチアップのスタートが早いのって、アピールアウトですよね。
戻る意思を見せていたら「早かった」と本人が認めているということですけど、戻る意思を見せていなかったら本人は早いと思っていないはずで、それを守備側がアピールしない限り、たとえスタートが早くても得点は認められますよね。
つまり、三塁ランナーが戻る意思を見せていないということは、タッチアップをしたのと同じ扱いになるということです。
2つ目の方法:第4アウトを取り、アウトの置き換えをする
確実な方法は、今回と同じようにショートがとって1アウト、次のアウトをファーストに投げて3アウトを取ります。
飛び出したランナーをアウト(第3アウト)したあとに3塁にボールを回し、「三塁ランナーのタッチアップが早かったのでアピールします」と三塁塁審にアピールしてアウトにします(第4アウト)。
これを第3アウトの置き換えといいます。
第3アウトが成立したあとでも、守備側はアピールプレイを行うことが認められており、審判員がこのアピールを支持した場合、審判員はアウトを宣告する。
このアウトは、イニングにおける4番目に宣告されたアウトであるため、俗に第4アウトと呼ばれる。
しかし、野球では1イニングに記録されるアウトの個数は3個までであるから、第4アウトが発生した場合、3個目のアウト成立までに起こったプレイの記録は取り消され、4個目のアウト成立までのプレイが記録上の第3アウトとなる。
これはしばしば第3アウトの置き換えと呼ばれる。(Wikipedia)
これですね。
よく、ランナーは飛び出してしまうと戻りますけど、戻る意思を見せない場合は、アピールしないかぎりランナーはアウトにならないってことなんですね。
過去に起こった例
なお、ルールブックの盲点と呼ばれるこの1点は、実は過去に4度ほど確認できるそう。
1982年 東海大甲府高校 対 境高校
2009年 ダイヤモンドバックス 対 ドジャース
2011年 履正社高校 対 九州学院高校
2012年 さきほどの 済々黌高校 対 鳴門高校
意外に起こっているんですね。
もっとも、審判がそのことを忘れていることもある様子。
たとえば、2009年のメジャーのケースはそうだったようです。
少年野球とかでも実際はありそうなケースですよね。
今日は「ルールブックの盲点」の1点について書きました。
また明日!
ブログランキング
コメントを残す