プロ野球ビジネスとぼくらが野球で興奮する理由

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25日からプロ野球が開幕しました。
私は野球ファンなので、野球が始まると心躍るものがあります。
今日は野球というビジネスについて考えてみました。
レッツゴー・ウンチキスト!

野球というビジネスシステム

野球をビジネスとして考えてみると、どのようになるのか。
これから、新たなプロスポーツを作るとか、ショービジネスでどういう風にすれば儲かるのか、という頭の体操みたいなモノでいろいろ考えてみたい思います。

レッツゴー・ウンチキスト!

日本のプロ野球の市場規模

プロ野球の市場規模は日本にある全12球団の売上高の合計額で推定されていて、およそ1,400億円程度ということのようです。あくまで推計値です。

12球団ですから、1球団平均で約117億円。
実際は差があって、巨人阪神SoftBankは200億円超、ヤクルトは横浜、ロッテ、オリックス、楽天は100億を切っているという状態のようです。

こんなサイトを見つけました↓

http://baseballstats2011.jp/archives/36881229.html

少し古いデータですが、2003年のセリーグ各球団の収入では広島が最下位で65億円だったようです。2012年では117億円ですから、すごいですよね。
カープ女子のおかげでしょうか。

プロ野球球団の収入内訳

楽天の場合、2006年には65億円程度の収入が2010年には82億円にしたそうです。

2006年の収入内訳(楽天の場合)
スポンサー 41%
チケット 37%
放映権 9%
スタジアム 7%
ファンクラブ 3%
グッズ 2%
地方興行・2軍 0%
合計 100%

これが、2010年になると
スポンサー 30%
チケット 30%
放映権 7%
グッズ 10%
飲食 15%
となるよう。飲食というのは上記でいう「スタジアム」かな。

チケット代を上げるには限界があるので、その他を上げていくのが正しい戦略なのでしょうかね。

昨今のトレンドとしては、スポンサーは減って、放映権は減って。
その中でグッズが2%から10%に、飲食が7%から15%になっているのは、経営努力と言えるのではないでしょうか。

日本ハムファイターズはもっと驚くデータがあって
2003年 35億円 の売上げから
2010年には 103億円 と3倍近くに増やして、
2012年 では185.9億ということですから、ものすごい伸び方ですね。

2004年に本拠地を東京ドームから札幌に移して、地方密着の球団になりました。
観客動員数も100万人から200万人に伸ばしたそうです。
2010年だからダルビッシュ効果もありそうですね。まだ大谷翔平はいないと。
台湾から陽岱鋼を見に行くツアーもあって、台湾に行くと陽岱鋼だらけですけど、台湾からのお金も十分に入っているようです。

シートも「シンデレラシート」「ファミリーシート」など女性、家族を巻き込む努力をしたと。

そういえば、最近広島は女性ファンの数が男性を超えたと発表になりましたよね。
ターゲットを絞ってきちんと顧客満足をする、ということが大切なのかもしれません。

体質転換が求められているプロ野球界

そもそも、プロ野球は「赤字でもよし」「社名を売るための手段」という位置づけです。
なぜなら、親会社の損金算入ができるからです。

利益が出ている会社は利益に対して40%くらい課税されるので、それよりだったら利益を減らしてその分広告宣伝費として考えても良いだろうという考え方なわけですよね。

だから、「赤字でもいい」「視聴率だけを意識する」ということでは、とてもファンが増えるとは思いません。
後発のサッカーに人気を奪われるのも当たり前のような気がします。
チーム数も多いですし、J1に上がるために努力しますものね。

でも、本来野球は観客を増やすために努力しないとならないはずです。

横浜DeNaベイスターズの改革

数値がないので申し訳ないのですが、横浜球団がここ数年で顧客数を伸ばしているということをテレビで特集されているのを見たことがあります。

そこではDeNAの改革者が取り上げられていました。
その人は野球経験者じゃないんですけど、経営の視点で優れていると。

具体的にはターゲットをきちっとしぼって、その人に求められているのは何かを徹底的に調べたと。

そうしたら、「必ずしも勝つことが最大の顧客満足ではない」と言っていました。

皆でユニフォームを着て、盛り上がってお酒が飲めればいいというライトなファンを取り込んだことが良かったとか。

無料のユニフォーム配布デーってめちゃくちゃ各球団で増えていますけど、まさにファンを作るためには同じ格好をするって基本中の基本ですよね。

勝つのが最大の貢献だったら、優勝チームしか増えないことになりますけど、勝っていなくても動員数を増やしている球団(特にパリーグ)に見習わないとなりませんよね。

ある、球団幹部の人と話したことがあります。そのときに

「ようは勝てばいいんだよ、勝ってなんぼなんだよ。そうしたら客は増えるんだ」

とおっしゃっていました。

間違ってはいないと思うんですけど、勝てるのは同じ力でも1/2であって、どんなに強くても7割も通常は勝てないわけですよね。だから、負けていても応援してもらえる球団を作る方が大切な気がします。

そもそも、野球を観ることで我々はどのような欲求が満たされているのか。

考えてみると、私も野球場に良く行くんですけど、どんなことで満たされてるんですかね…。

・ハイレベルな技術を見ることで感動する(野球をやったことがあることが前提)
・お気に入りの選手を応援したい(子どもを応援する気持ちに近い?あこがれ?)
・声を出すことでストレス発散?
・応援で一体感することによる満足感(皆で作り上げることの喜び?)

でも、考えてみるとハイレベルな技術を見ると言うことでは、テレビで見てもいいわけだから、わざわざ現場に足を運ぶ理由にはなりにくいですよね。

球場に行くのにだいたい4-5,000円、そして球場でしっかり飲食をするとまた4-5,000円。
グッズも買ったりすると結構行くんですよね。

盛り上がることが好きなのかな。
盛り上がるときに一緒にその輪の中に入っているということが本質的な欲求になるのでしょうか。

EXILEのライブビューイングを以前取り上げましたけど、一体感を作れるモノはそれだけで金になるということなのでしょうか。
ビジネスのヒントがありそうな気がします。

そういえば、ゲームの対戦とかでもありますよね。
プロゲーマーとかいますし。
世界ではそれだけで数億稼ぐ人がいるとか聞いたことがあります。

結局この手のビジネスはどういうものが売れるのか?

まだ一般化できていないんですけど、

「多くの人がそれを見たいと思ってくれるもの」
「技術が卓越していること」
「偶発的な要素が多いこと」
などが、大事な気がします。

他にはゴールが明確とか、ルールがわかりやすいとかでしょうかね。
サッカーにせよ、ゴルフにせよ。ゲームにせよ。

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