こんにちは。京野です。
私はずっと泳げませんでした。
ところが、ジムに通いだして、1回コーチしてもらったら泳げるようになったんです。
4回ほど教わって、その泳げる理由がわかってきました。
おそらく泳げない人の気持ちをわかっているであろう京野が、泳げない視点で、泳げる方法を書いていきます。
レッツゴー・ウンチキスト!
うちの子も泳げなくてですね…
結構泳げないと学校でも恥ずかしいようですね。
うちに小学生の子がいるのですが、私と同じで短距離が速いんですね。
小学校では陸上が速いとカッコイイじゃないですか。
なのに、水泳のプールの授業で私と一緒で泳げないわけです。
でも、水泳ができない自分がかなり許せないようで、「泳げるようになったなら教えて」と言ってきました。
プールで見ていて「あぁ、そうだった、俺も。」
と思うところもあり、そんな経験も活かして書いていこうと思います。
陸上部は泳げない
中学時代は部活で、陸上競技短距離をしていました。
不思議なことが1つありました。
それは、陸上部の多くがみんな泳げなかったことでした。
なぜ、短距離選手は泳げないのか?
ひとつは、陸上部は筋肉量が多いので沈みやすい、ということがあったと思います。
中年になってプールに入った瞬間感じたことは「あれ?浮くぞ?」ってことでしたから。
受けられる浮力が違いすぎる。
それは、体積に対する重さが異なるからですよね。
まず、この時点で若い子どもとか、筋肉量が多い子は不利ですよね。
もっともこの「筋肉量」は、解決しにくい話ですけど。
陸上とカラダの使い方が根本的に違う
さて、それはそうとして、陸上(競技)と水泳は根本的にカラダの使い方が違っていて、その思いを脱却するのに、だいぶ時間がかかったなぁ、という認識です。
陸上短距離は、結構な時間、飛んでいます。
飛んでいますという表現は変だと思われるかもしれません。
でも、陸上写真とかを見ていただくとわかるんですが、足を付いている時間は一瞬で、飛んでいる時間が長く、長い時間、足は離れていると思うんですよね。
例えば、ウサインボルトは何歩で100メートルを走るのか。
なんと、40.92歩でした。
私が中学時代に撮ったビデオを見ても、100メートル走るのに、50歩かかりません。
確か、48とか49だった気がします。
つまり、1歩2メートル以上あるということですよね。
それだけジャンプして走っているわけです。
つまり、何が言いたいかというと、地面との接触はわずか50回弱しかないために、その瞬間にいかに力を込められるか、が大切なのです。
陸上短距離走は、瞬間的に力を込めることが求められている
何度も言いますけど、地面との接触の時に最大限、チカラを使います。
一方、水泳は、浮くことが前提です。
つまり、瞬間的に力を込めるということがありません。少なくとも、一般的に泳げるようになるために、そういう力はむしろ邪魔です。
なので、基本的に「浮く」とか「力を抜く」ということが陸上選手は苦手なのではないかなぁ、と個人的には思うわけです。
水泳で感じたパラダイム変換
私は結局4回ほどしかトレーナーについて教えてもらっていないですけど、結構パラダイム変換があったので、その気づきをまとめてみます。
誰かの役に立てれば嬉しいです。
チカラを入れて手足を動かせば動かすほど、泳げない
よく、「チカラを抜け」と言われます。
力を入れると沈むと。なぜなのでしょうか。
このことに答えられた指導者は、今までいませんでした。
だって、私からすれば、体重が変わるわけじゃないのに、「チカラを入れると重くなる」と言っている理由がわからず「何を言ってるのだろうか…」と中学時代に思っていました。
でも、今はわかりました。
つまり、比重が重くなる
の意味だったわけです。
チカラを入れると筋肉が収縮するため、その分カラダの体積が小さくなります。
カラダの体積が小さくなると、もらえる浮力が少なくなります。
だから、浮かないんですね。
つい短距離選手なので「息継ぎができなくなるまで、根性で泳ぎ切る」とかやってましたけど、それが永遠にうまくいかないループになるわけです。
息継ぎができれば泳げるようになる、のウソ
ほとんどの泳ぎができない人にその理由を聞くと、「息継ぎができない」と言います。
それができれば、できるのに…と思うんですよね。
でも、呼吸は陸上と水中では全く異なります。
なので、呼吸の方法をうまくやらないと、息継ぎはできるようになりません。
それに、チカラを入れて泳ぐとすぐに体力を奪われてしまうので、そもそも、ブレスができても毎回息継ぎが必要になり、それでもきちんとできないので、終わってしまいます。
息を吸うことよりも大切なのは、吐き切ること
魔法のことばは「んーーーパッ」「んーーーパッ」の呼吸です。
「んーーーー」は鼻で息を吐くことを示しています。
口を開けていたら「んー」って言えませんから。
そして
「パッ」 で口元についた水を払い、吐き切ることで、自然と息が入ってきます
できない人は「鼻から息を吐けない」ことが多いです。
鼻から息を吐くのは、慣れないとかなり辛いです。
普段、口呼吸をしている人がうまくできないのはもとより、普段鼻から呼吸をしている人でも、水中で鼻から出すのは難しいです。
それは、水圧がかかっているので、鼻より口の方が吐くための筋肉を使えるので、ついつい口で吐いてしまうんですね。
でも、「んーーーー」と水中で言ってみると、意外にも簡単に息が吐けます。
そして、息継ぎの瞬間「パッ」と言うと、カンタンに息が口に入ってきます(あ、吸うのは口でOK)、まずは
「んーーーーー パッ」
の呼吸を覚えましょう。
これをわたしは「『うんぱ』の呼吸」と呼んでいます。
んーだと覚えにくいので「うんーーー」と「パッ」
これ、マジックワードです。
この呼吸法の練習は地上でもできます。
じつは胸は圧迫されている
言われてみれば当たり前のことですけど、水中は圧力がかかっています。
なので、つねに加圧トレーニングをしているような感じなわけです。
だから、当然地上と同じレベルではいられません。
「水中に入ると、緊張して息苦しくなるんだけど…」
いや、圧迫されているから、苦しいだけなのです。
水に胸を押されているので、当たり前だったのです。
姿勢を真っ直ぐにするためには、前傾するイメージが必要
そもそも、なぜ、姿勢を真っ直ぐにする必要があるのでしょうか。
ここで、初心者の泳ぎ方を見ていると、あることに気づきます。
それは
「足が下がる」
という特性です。
泳いでいると、頭が上がり、足が下がるのです。
多分、泳げない人の9割がこうなっていると思います。
姿勢を真っ直ぐにする必要性
では、なぜ、足が下がるとダメなのか?
なぜなら、水泳では前に進もうとしているので、身体がナナメになっていればその分、推進方向に対しての抵抗になってしまうからです。
手と、アタマと、お腹と、足を結ぶラインが、プールの底面と平行になっているのが最も抵抗がなく進める形になります。これがベストです。
足が沈んでしまう理由
私もそうなのですが、下手な人は「カラダを真っ直ぐにしましょう」といっても殆どの場合、足が下がり、アタマが上がっています。
では、なぜ、アタマが上がり、足が沈むのか?
それは、多分、本能的なものだと思います。
人間が、通常の姿勢で真横になるシーンって寝るときくらいしかありません。
なので、我々は本能的にアタマを上に、足を下にしたい欲求があります。
真横になることに恐怖感があるんですね。
なぜならこれは、アタマを守るための本能でしょう。
アタマから落ちたら死ぬかもしれないけど、足から落ちれば、足が折れたとしても死ぬことは免れるかもしれないからです。
どうすれば、足を上げ、アタマを沈めることができるのか?
なので、イメージとしては手を思い切り伸ばして、なるべく前の方に手をおきましょう。
手を先に伸ばせば伸ばすほど、体の重心が、前方に行きます。
手を前に伸ばせば伸ばすほど、重心が前に行くことになります。
すると足が上がるわけです。
どうです?言われてみれば当たり前ですけど、結構大事でしょ?
足は最初は意識しなくて良い。チカラを抜く。
私みたいに陸上をやった人はどうやっても足を使いたくなります。
でも、クロールの場合、推進力はほぼ手の「かき」です。
なので、足は完全にチカラを抜くイメージを覚えたほうがよいと思います。
足はほぼ動かさなくてもクロールはできます。
最初は足にプルブイを挟ませて「足を動かさない」練習をするのもいいと思います。
足のチカラを入れないという感覚がつかめます。
大切なのはバランスをとって「浮く」イメージ
陸上選手はバランスなんて考えません。
とにかく力強く「かけばいいんだろ?」ぐらいに考えています。
でも、本当はバランスをとって「浮く」イメージです。
これができるようになったら、チカラも入れなくなったし、はぁはぁ言わなくなったし、息継ぎの数が少なくてすむようにもなりました。
一つ、とても良いイメージの持ち方があるので、ご紹介しておきます。
それは、
「カラダの重心はどこにあるだろうか?」
というイメージです。これがとても役に立ちます。
この「重心」の意識ができると、もっと重心を前に、と思えるようになり、「手を思いっきり前に伸ばすイメージ」ができます。
「前に伸ばして、手のひらを重ねてみる」と、前に重心が移ることがイメージできます。
水の上を「滑る」イメージ
私は最初、手を水車のようにクルクルと回していました。
しかし、コーチから
「右手が かき終えて帰ってくるまで、左手はずっと先方に伸ばしたままにしましょう」
と言われました。
なぜか。
まず右手が終わる前に左手もかき始めるということは、左手が斜めになっているわけで、その分抵抗を受けてしまいます。
左手は、右手がかいているうちは、しっかりバランスを前方に保ちつつ、浮力をもらえるように、プールの底面と平行になるべく前方に伸ばしておくのが良しです。
浮力がもらえて、推進を阻害しません。
ポイントはこれだけ
結局、私がポイントとして意識したのはこれだけ。
- まず、息継ぎのタイミング「んーーーー パッ」を覚える
- 手はなるべく前に伸ばす
- とにかく脱力、脱力、脱力
- スピードは絶対意識しない。むしろ「ゆっくり競争」の方が良い。
- 水中で見るのは1-2m先前方(あまり前を見ない)
結果、泳ぐのも速くなり、疲れなくもなり、ブレスも楽にできるようになりました。
もっとも、今では25mは楽にノンブレスで泳げるようになりましたけど。
それは変なチカラを入れなくなり、慌てなくなったからだと思います。
うまくなるためにはビデオ撮影ができるといいが…
私は水泳がうまくならない理由の1つは、ビデオを撮りにくいことだと思います。
私のジムでもプールでは撮影禁止。
公営プールも一切撮影禁止です。
自分の泳ぎを見れば客観的にどうなっているかがわかって、修正しやすくなると思うんですけどね。なんだか変な規制だよなぁ。
まぁ、変質者が出るからか。
でもどうせみんなが見えるところなんだから、撮ってても構わないと思うんだけど、だめなのかねぇ…
というわけで、40からの手習い、水泳編でした。
少しでもお役に立てれば光栄です。
2017/04/29追記
毎日PVの多いページなので誤字を修正しました。
変わらず、最近もジムで週に1-2回泳いでいます。
あの頃はこんなに悩んでいたのだなと思います。
今は「脱力」くらいしかイメージせずに、泳げるようになりました。
この記事は泳げるようになってすぐに書いたので、とても初心者向けになっている記事だと思います。
2017年7月20日一部誤字修正
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