傾きマンション事件から考える、自衛策について

写真:毎日新聞より

写真:毎日新聞より

こんにちは。京野です。

横浜市都筑区の大型マンション問題が世間を賑わせています。

今回の問題が衝撃だったのは、中小企業が販売した不動産ならばまだしも、大手も大手、三井不動産レジデンシャル(以後MFR)が販売していたという事実でしょう。

販売会社:三井不動産販売レジデンシャルとは

MFRは三井不動産グループの住宅分譲会社です。

2011年のデータでは、マンション供給戸数ランキングでは全国3位を担っています(4,980戸)。首都圏では1位(4,043戸)。8割ほどは首都圏ということですね。

創業は2005年12月26日で、2006年に三井不動産の新築分譲事業と、三井不動産販売の住宅販売事業を承継しました。

しかしながら、2005年の創業時から、市川市の再開発マンションで「鉄筋不足事件」が起こりました。しかも事件発覚後も強度不足を客に全く説明せずに販売するという、誠意ない対応をしたことで批判を受けました。

過去にも誠意ない問題を起こしている会社なのですね。

施工会社:三井住友建設とは

準大手のゼネコンです。三井グループ、住友グループに属する唯一のゼネコンです。東証一部上場。

レインボーブリッジを作り、大江戸線を作り、新東名高速を作った会社です。

年初1月21日につけた年初来高値は189円ですが、この問題で一気に株価が暴落、現在は116円ほどになっています。(一時は109円ほどまで落ちました)

企業の特色は

大和証券G系のファンドのもとで、再建完了。PC橋と超高層マンションが強み。海外事業を強化中。

http://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/profile/?code=1821.T

ということになっています。

こういうことになっていたんですね。

 

いずれも連結で売上が3,135億円、純利益が13億。従業員が3,822人。

筆頭株主は日本証券金融、その他、三井不動産、松井証券、水戸証券、SBI証券、楽天証券、三井住友海上火災保険、三井住友建設取引先持株会の順。

問題の概要

産経ニュースより

産経ニュースより

マンションが傾いてきた(現象)⇒調べたら、工事をしていなかった(原因)

ということですよね。

詳しく調べたら、傾いた棟を含めて、3棟で地盤の強度データが改ざんされていたとか、45本でセメント量が改ざんされていたとか。

ホントに酷い話ですよね…。

施工主の三井住友建設、くいうち施工をした旭化成建材などが、建築業法に抵触する疑いで調査されることになっています。

我々はどうやって自衛すればいいのか?

今回、問題が発覚したら、これだけのことをしていた、ということですけど、当然、氷山の一角ですよね。

多かれ少なかれ、ウソが混じっていると考えたほうがいいと思います。

大手ですらこれなんですから、ね…

怪しいマンションを見分けるための4つのポイントを、テレビでやっていました。

テレビ朝日:モーニングショーより

http://www.tv-asahi.co.jp/m-show/

その1:勝手に動く扉

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もちろん、勝手に動く扉、キチンと閉まらない扉。

「東日本大震災のせいだ」と説明されて買った人もいたそうです。

やめましょう。傾いています。

その2:柱・はり・ベランダにヒビ

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柱、はり、ベランダも見てみましょう。

これも、ヒビが入っていたら、怪しいそうです。

ベランダは横方向のヒビがまずいのだとか。

その3:ピンポイントのカビ

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ピンポイントの、というのがポイントです。

全体が、だったら、そもそも欠陥住宅かもしれませんけど、ピンポイントというのは、その部分だけなるということなので、後ろの問題です。

つまり、クロスの裏にヒビがあるとか、湿気が入り込んでいる可能性があるからだ、ということでした。

その4:雨漏り

そして4つめ、これは結構ありますよね。

天井から雨漏り、バルコニー、窓が濡れる…

これはいずれも、外壁のヒビの可能性があるそうです。

買ってすぐ、このようなことになることもあるそうなので、十分に注意です。

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じゃぁ、問題が起きたらどうするか?

もっとも大切なことは、

写真を残すこと、記録を残すこと

だそうです。

動かぬ証拠になりますから、こまめに記録しましょう。

そして、マンション管理組合で情報を共有しましょう。

最終的には、

専門家に見てもらう

という方法も。

いずれにせよ、記録を残すことから始めることが大切のようです。

問題が起きたら、そのマンションに住むのは諦めるしかない?

問題が起きたら、どうなるのでしょうか。

基本的には3つしか方法がない様子。

1.買い取り⇒各戸でMFRと交渉

2.建て替え⇒全棟の4/5の決議かつ各棟の2/3の決議

3.補修⇒通常は全棟の3/4の決議

となるそうです。

今回も、全棟建て替えの方針を出していますが、そのためには住民の意見がまとまることが前提です。

実際、1995年に阪神・淡路大震災で半壊認定を受けた、兵庫県宝塚市の5階建て、131戸のマンションの例が挙げられていました。

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9割の人間が建て替えに合意、9割合意なので、基本的には建て替えられるはずなのですが、住民2人が裁判所に提訴したと。それが97年。

判決が出たのが7年後。

そして完成したのが13年後。

半壊してからは15年が経過。住民9割が戻らなかったという話です。

まぁ、そりゃそうだよな、という話ですよね。

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区分所有ってそういう意味で大変ですよね。

逆に、ものすごく仲が良くて助け合いができるマンションがあったら凄いんですけど、それぞれ住む事情は違いますものね。

意外に新築より、古いほうが見極めができていいのかもしれませんね。

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